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Akeru's World of Paintings鳥図明児(ととあける)のイラストコレクション
なんだ、これは!!!???
初めて野外画廊フライング・サリーにやってきた建築家ジェラード氏は、明らかに驚いていた。
画廊というが、椰子農園の真ん中に布(サリー)で囲った場所を作っただけではないか!
屋根は無くてサリーが木と木の間にパタパタはためいている。
壁も無いから絵は椰子の木に掛けてある。
木の間に3つ、4つ、安物の机とプラスティックの椅子。。。
これじゃまるでピクニックだ!
ジェラード氏とは2年前、カラ・アカデミーでの個展に来ていたいたご縁で、今回ご協力をお願いした。
氏は快く、ゴアの有名な邸宅のフロア図を描いた大きなパネルを、7枚も制作してくれた。
それらのパネルは私の絵と同様、
椰子の木に無造作に掛けられている。
有名建築家ジェラードのパネルが、ですぞ!
おそらくもっと画廊らしい画廊を想像していたのだろう。(当たり前だ!)
あっけにとられていたジェラード氏も、椅子にすわってジュースを飲むと落ち着いたようだった。
この時期、昼間の気温は35度になるが、椰子の木とサリーのおかげで日射しが和らげられ、風が吹いてしのぎやすい。
そう、ピクニックに違いない!
展覧会を口実に、地元の方々にピクニックに来ていただいているのだ!
他に、首都パナジから遥か離れた会場まで炎天下足を運んでくれたのは、ゴアンオブザーバー誌のタラ女史だった。
彼女は砂浜をフゥフゥ言いながらやってきた。
彼女に会ってマシンガントークという言葉を初めて実感した。
まさしく機関銃のように早口で大量に話す。頭の回転が速いのだろう。
彼女は後に記事で、夫が妻に話をさせない、と書いていたが、私が彼女のスピードについていく事が出来なかっただけである。
女史は野外画廊について、
「他の画廊とは全然違う、このような場所は他にない」
とコメントしていた。さすがである。
最終日。地元ゴアの芸術家サシ氏とその友人が片付けを手伝ってくれた。
サシ氏は絵から庭のデザインまでするマルチな芸術家。
私の絵を気に入ってくれて、片付けのとき、
1枚を抱えて逃走!
。。。はしなかったけど、すっごくしたそうだった。
笑った。
そして嬉しかった。
日没は6時頃。画廊から夕日が見える。
椰子の影がサリーに映る。
風が吹く。
電気が無いので暗くなる前に片付けなければ。
毎日絵を運んでくれたオートリキショーのおじさんが手早く机をたたむ。
机、椅子、沢山の額を積んだオートリキショーがプルプルと軽い音をさせて、暗くなった海岸を走って行った。